探査機「はやぶさ2」が2月、小惑星「りゅうぐう」に着陸して大きな話題になった。初号機「はやぶさ」が2010年6月、地球に帰還した際の興奮もまだ記憶に新しい。その7年前に初号機を打ち上げた場所は、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所だ。今年1月にも小型ロケット「イプシロン」4号機を打ち上げた。夢の宇宙への入り口に立ちたくなって現地に向かった。 車は観測所のある大隅半島東部を目指した。山道を抜けて見晴らしの良い場所にたどり着くと、巨大なパラボラアンテナが飛び込んできた。「こんな場所に…」。民家がまばらな山あいと、最先端の基地のイメージが頭の中でつながらないまま、現地に到着した。 入り口で受け付けを済ませて敷地に入ると、ガイド役で職員の松ケ野恵未さんが車で先導してくれた。起伏の多い山を削って造った敷地は約70万平方メートル。東京ドーム15個分に建物などが機能的に配置された、世界でも珍しいロケット