丸紅はコーヒー豆の輸入で日本トップクラスの取扱高を持つ。他社との厳しい競争にどうやって勝ち残るか。同社でアフリカ地域の豆の買い付けを一手に引き受ける坂井陽さん(27)は、年間3万杯の試飲を繰り返す。コーヒーを知り、産地と顧客の双方を満足させる商談で、社内でも一目置かれる存在だ。 一般には知られていないが、丸紅は日本で消費されているコーヒー豆の3分の1を取り扱っている。産地はアフリカから中南米、アジアなど世界各地に広がる。このうち「モカ」に代表されるアフリカ産は、豊かな甘味と際立つ酸味の両立が特徴で、世界中で人気のコーヒー豆だ。 同社の飲料原料部・飲料原料第1課に所属する坂井さんは、現地駐在員を含めて数人いる「アフリカコーヒー担当チーム」の中でも、買い付けから商品開発、営業までをほぼ1人でこなす中心メンバーだ。 成功体験の1つが、台湾のコーヒーチェーンとの商談をまとめたことだ。その店ではもと