扁桃(へんとう)とはのどを囲むリンパ組織のことだ。のどの入り口の両側にある「口蓋(こうがい)扁桃」や、鼻の奥にある「咽頭(いんとう)扁桃」、舌のつけ根にある「舌扁桃」などがある=図。細菌やウイルスのような外敵を撃退する役割を持つ。 一般的に口蓋扁桃を扁桃と呼ぶ。「患者を生きる 保田圭の卒業」で紹介した保田圭さんが摘出手術を受けたのも口蓋扁桃だった。 扁桃炎は、溶血性連鎖球菌などによる細菌感染や、アデノウイルスなどによるウイルス感染によって起きる。細菌やウイルスは、どんな人の扁桃にも常にいて、疲れなどで体の抵抗力が弱まると炎症を起こす。 のどの痛みや発熱のほか、扁桃に「膿栓(のうせん)」と呼ばれる白い膿(うみ)が付いたり、患部から離れた場所に痛みが出る「放散痛」という症状が出たりする。 子どもの時から扁桃炎を繰り返す人もいれば、保田さんのように大人になって発症する人もいて、理由は完全