奈良県立橿原考古学研究所は24日、現代の将棋にはない駒「酔象(すいぞう)」が、興福寺旧境内(奈良市)の平安時代の井戸から出土したと発表した。 「承徳二年(1098年)」の年号を記した木簡も見つかり、これまで確認されていた室町時代より古い、国内最古の酔象の駒という。 酔象は木製で、縦2・5センチ、横1・5センチ、厚さ0・2センチ。裏は墨跡がなかった。将棋は、インドが起源とされ、平安時代には日本に伝わっていた。酔象は、現代の将棋より駒数の多い、鎌倉時代以降の「大将棋」や「中将棋」で指されたことが文献などでわかっているが、平安時代については知られていなかった。