「将棋」が、少年院に暮らす少年たちの更生に一役買っている。京都医療少年院(京都府宇治市)で、日本将棋連盟の普及指導員、清水忠治さん(74)がボランティアで将棋指導を続け、今年で10年目を迎えた。先日は気鋭の美人女流棋士も少年院を訪れ、少年たちと対戦。「将棋を通じて、人生でも必ず逆転できるということを感じてもらえれば」と関係者は期待している。(横山由紀子)有段者も生まれ 同少年院は、身体や精神に医療措置が必要とされた少年のための矯正施設。強盗や傷害などの事件を起こし、覚醒剤の後遺症や統合失調症などの心身疾患を抱える14~20歳の少年、少女約50人が入院している。 清水さんは、約30年前、同少年院を見学する機会があり、「人生の序盤でつまずいた少年の力になりたい」と考え、仕事を引退後、ボランティアでの将棋指導を申し出た。 毎週1回、1時間半、クラブ活動の時間を利用して、少年たちと向き合う。初めて