昔は予習なんかしない生徒だったんだけど。大人になったら、どこかに出かける前にはせっせと予習に励む人間になってしまった。君子豹変、子どものころとうってかわるのは人生においてままあることだ。これをも成長と呼ぶか? トルコには前から興味を持っていて、関連する本は読んできていたが、実際にトルコに出かけることになって、やあ、ずいぶん読ませてもらいました。その棚の総ざらえをしてみよう。 トルコについて書く場合、まず「トルコ」とは何ぞや、というところから始めなければならない。それは民族か、地域なのか。言うまでもなくそれは民族である。しかし国名でもあるし、「現在トルコ人が住んでいる地域」という意味でも俗用される。地域名としてはアナトリアとか小アジアを用いるほうがいいのだが。 「トルコ人」と日本語で言う場合、それはテュルク系民族のうち、オスマン帝国の中核をなし、主としてアナトリアに住んでいた人々とその後裔を