わしや誰ぞクラスになると、積ん読本やそもそも買ったことも忘れている本が大量にある。そのため、古本市に行かなくても自宅で掘り出し物を見つけることができる。今回紹介する雑誌もまったく記憶にないもので、安芸国郷土研究会編『安芸国』第3冊(文屋書店、昭和6年12月)である。裏表紙に文屋書店の広告、と思ったら、『文屋』41号(文屋書店、昭和6年12月)であった。なんと、郷土研究雑誌と古書目録の合冊である。前者が16頁、続いて後者が1頁から13頁までで同頁裏が合冊の裏表紙になる。古書目録の巻頭に本に関する随筆が載る例は数多くあるが、郷土研究雑誌との合冊は聞いたことがない。 『安芸国』の奥付を挙げておく。 会則が載っている「広島方言学会」は、東条操広島高等師範学校教授らが昭和6年5月広島文理科大学国語学国文学研究室内に創設したものである。奥付には文屋書店の土井利三郎が安芸郷土研究会の代表者となっているが