河原努(皓星社) ■忙しくて週末古書展に行けません 私の所属する近代出版研究所。その所長である小林昌樹さん初の単著『調べる技術』(皓星社、令和4年)が絶好調だ。しかし、「好調」とは「忙しい」と同義で、書店さんからひっきりなしに注文や在庫確認のお電話を弊社に頂くため、それまで仕事の一環として業務時間中に足を運んでいた東京古書会館での週末古書展に行く時間が取れなくなった(まー、プライベートで行くんですけどね)。 最後に業務時間中に週末古書展へ行ったのは……『調べる技術』の原稿を印刷所に入稿し終えたばかりで、ようやく一息ついた去年11月下旬。そのとき手に取ったのが外川晋吾『「判例タイムズ」四十余年』(判例タイムズ社、平成3年)だった。未知の本で「“業界誌”ではなく“業界紙”だったら新聞史で、出版史と分野が違うんだけどな」と思うも、300円なので購入した。戻って調べると国会図書館に所蔵されているも