【要約】 ソーシャルメディアや企業内の情報システムに蓄積されている大規模かつ更新頻度の高いテキストデータは“ビッグデータ”の代表例とされる.本稿では,企業活動において有益な知見をテキストデータから得るためのテキストマイニング技術の基礎,日本ユニシス独自の手法である“話題の変化を把握する技術”と“話題を可視化する技術”をその適用例とともに紹介する.ビッグデータの分析ではさまざまな情報を掛け合わせることでより大きな価値を生むとされるが,これらの手法は商品の売上や株価などの定量データとテキストデータを組み合わせて分析する際にも活用できる. 1.はじめに 2011 年ごろから“ビッグデータ”を解析して企業活動に利用する取り組みが盛んになっている.ビッグデータとは Volume(規模の大きさ),Variety(多様な形式),Velocity(高い発生頻度)の特性から,従来の技術では管理・分析が難しい