宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))は30日、騒音が少ない超音速航空機の試作機を公開した。 8月にスウェーデンで、騒音抑制の効果を確かめる滑空試験に臨む。 開発拠点の富士重工業宇都宮製作所(栃木県)で公開された試作機は、全長約8メートル、重さ約1トンの無人機。機首の下部に丸みをもたせ、機体後部に微小な凹凸を設けるなどの工夫により、騒音につながる衝撃波(N波)の半減を見込む。この技術で50人乗り旅客機を造れば、英仏の超音速旅客機「コンコルド」(100人乗り)の4分の1程度まで騒音を減らせるという。 8月の実験では、機体を高度約30キロから滑空させてマッハ1・3まで加速し、騒音を測る。JAXAの吉田憲司プロジェクトマネージャは「低騒音設計を実現し、旅客機開発の技術を蓄積していきたい」と話す。