4月1日付夕刊フジ掲載の本コラムで、東京電力の福島第1原発の事故には、東電と経産省原子力安全・保安院のもたれ合いが密接に関係していると書いた。東電は経産省から天下りを受け入れる代わりに、保安院からの規制を厳しくしないように手心を加えてもらうというものだ。 このように、規制する側が規制される側に取り込まれてしまい、規制が被規制側に都合良く歪曲される状況を説明するものとして、1982年にノーベル経済学賞を受賞したスティグラー・シカゴ大教授の虜(とりこ)理論(regulatory capture)がある。 こうしたズブズブ関係が発覚しないように、東電はマスコミや学会も取り込んでいた。 東電は、東大などの有力な大学に多額の寄付金を行っている。例えば、東大は東電からの3・5億円程度の寄付講座をもっている。その講座の担当教授はしばしばマスコミに登場する有名学者であったりする。 一方、東電は巨額