初めてのニューヨークは初めてのアメリカ合衆国でもあり、極東の島国で育ち「秋刀魚にいい具合のあぶらが乗ってて嬉しいねえ」なんてなつつましい価値観の中でぬくぬくと育った身には到底正気の沙汰と思えない、それこそ気の利いたアメリカン・ジョーク的なボリュームとカロリーでせまる彼の国のパスタやサンドイッチ。それらが何らかのメタファーであるかのような、胃もたれする程に刺激的な経験がたくさんできた。今は手元にないのだけれど、今度の機会に写真をアップしたい。 今日は道中に読んだ「1Q84」がべらぼうに面白かったということを。以下、ネタばれです*1。 村上春樹の小説って朝のテレビ・ニュースの星座か血液型占いみたいなもので、「そう読みたい」「そう解釈したい」と思えばどうとでも読めるところがまったくもって苦手だ。もっと言えば嫌いだ。文学的素養も知識もさっぱりない私には、氏の文章に多発する「まるで○○のように。」と