自分の才能の底が見えた瞬間ってあるよな。分かるよ。 自分の才能を証明するために、生きた爪痕を残すために、勝ち続けたいって思いを満足させられるほんの一握りの天才ではない自分を呪いたくなる気持ちは理解できる。 俺の場合は、死ぬほど勉強して東大に入ったし、最後に表彰されて卒業もしたし、論文で賞もとったよ。 勉強も研究も好きだったし楽しかったし、とにかく頑張った。全力を出し尽くしたこと、これだけは誇れる。 だけど、上には上があるというのも同時に痛感した。 こいつには絶対に勝てないって才能を目の当たりにして、悔しさと嫉妬で焼き切れそうな思いもした。 就職して1000万円貰えるようになっても、いい仕事をすることが出来ても、優秀だと褒められても 自分の研究成果を用いた製品を多くの企業の製品に使ってもらっても、競合製品に機能面やシェアで負ける事が許せない。 自分は1番にはなれないんだって言う冷えた感覚と飢