福岡県朝倉市黒川。土砂が流入し、倒壊した沢沿いの家屋で江藤由香理さん(26)と息子の友哉(ゆうや)ちゃん(1)、由香理さんの母、渕上麗子さん(63)の遺体は見つかった。 流木や人より大きい岩が押し寄せ、1階は押しつぶされていた。発見時、友哉ちゃんをかばうように抱いていたという由香理さん。おなかに新たな命を宿していた。出産を控え、実家で過ごしていて災害に巻き込まれた。 「ゴーッという大きな音で突然床が浮いて、家がぐしゃっと倒れた」。隣家の渕上美沙子さん(62)は夫と2人で脱出し、義母は消防団に助け出された。母子の死を知り、「ショック。自分たちは助かったが、何て言ったらいいか分からない」とため息をついた。 黒川は梨や桃の産地。由香理さんの実家は3代続く果樹農家で、由香理さんも営農指導に携わっていた。 数年前まで市内の選果場で一緒に働いていた手嶋一也さん(47)によると、由香理さんは歌手倖田來未