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ブックマーク / lessor.hatenablog.com (15)

  • 「おそれを知って、できなくなる」という成長 - 泣きやむまで 泣くといい

    「できていたことができなくなってしまうこと」は、一般にはあまり肯定的に捉えられない。 なぜできなくなったのか。およそ人間の能力というのは若いあいだ、伸び続けるか、せいぜい横ばいであると思われていて、できなくなるのは「老い」や「障害」の負の側面と理解されているのだろうと思う。 ところが、若いうちにも「できていたことができなくなってしまうこと」はある。障害をもつ子どもたちと関わっていれば、しばしば直面する事態なのだけれど、もっと普遍化することだってできるのかもしれない。「新たな体験へと踏み出していくことができなくなった」とか「挑戦する意欲がなくなった」とか言えば、多くの少年や青年にとっても耳慣れた話なのではないか。 さまざまな脳機能の障害の中には、実際に「かつて獲得していた能力が失われる」ためにできなくなってしまうケースがあって、それを前向きにとらえていくのはなかなか難しいことである。しかし、

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    showgotch 2014/04/05
  • 失敗から伝える〜第1回「理念」だけで集まってよいか〜 - 泣きやむまで 泣くといい

    これだけ苦悩しているのだから、これからNPOや福祉事業をはじめようとする人たちへ、失敗から伝えられることがたくさんあるのではないか。一般化はできないだろうが、経験からの教訓として書き遺しておこう。 まず、理念を同じくするだけでなく、金銭感覚とか労働観とかが同じ人間が集まるのが大事だと伝えたい。NPOのような組織において、理念の重要性は言うまでもない。考えておかねばならないのは、それ以上の部分だ。 特に、対人援助は理念を追求して進めていくと、しばしば高い専門性を求めていくことになる。当初は「自分たちにできることをやっていこう」でよいが、当事者のニーズに応えていくうちにだんだん「もっと勉強しなければダメだ」という壁にぶつかる。そのとき、これまで組織の中にはいなかった人材を外から招かなければいけないかもしれない。新しい事業のスタートアップ時などは、特に。 しかし、専門職というのは恵まれた環境で働

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    showgotch 2014/01/15
  • 有名だけれど有名でない偉人について - 泣きやむまで 泣くといい

    さる1月29日に亡くなられた廣瀬明彦さんは、知的障害者支援の世界ではよく知られた人であった、と思う。他の障害分野や福祉全般の中ではどうかわからないが、特に知的障害者の地域生活支援と呼ばれる世界では全国的によく知られていたはずだ。 それでも、世間の人たちはほとんどその名を知らないだろう。目立つことが好きな方でもなかったし、講演などは引き受けても、マスメディアなどに出演されることはなかった。ここに一度だけ、彼のことを書かせてほしい。 自分が彼と出会ったのは学生の頃であった。たぶん彼は当時40代半ばぐらいで、すでに業界のトップランナーのひとりだった。学生ボランティアグループの長に過ぎなかった自分にも深々と頭を下げて敬語で挨拶される方で、これほど腰の低いトップがいるのだろうかと思ったものである。 高校在学中、1年間休学して障害児入所施設で用務員として住み込みで勤務した彼は、週に1度の休日、外出時に

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    showgotch 2013/02/03
  • 圧巻の「障害児の親」研究が出た - 泣きやむまで 泣くといい

    自分は「実証研究」と呼ばれるものがあまり好きではない。対人援助分野に関して言えば、多くが「およそ現場でわかっている」ことを再確認するか、現場の感覚であれば当然のごとく「変数」としてリサーチデザインに組み込まれるべきものが抜け落ちているのを見てがっかりするかのいずれかに終わることが多いからである。 しかし、このは違った。ものすごいである。 障害のある乳幼児と母親たち―その変容プロセス 作者: 一瀬早百合出版社/メーカー: 生活書院発売日: 2012/06メディア: 単行購入: 56人 クリック: 3,846回この商品を含むブログ (7件) を見る 単純に言ってしまえば、既存の障害受容研究の「大ざっぱさ」をばんばん指摘して、ツッコミを入れ難いぐらいに研究対象の絞り込みと重層的な調査分析をして、障害児の母親の変容プロセスを追ったものである。障害児の親に関する実証研究で、これだけ方法論的に洗

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    showgotch 2012/09/21
  • この文脈で何がどう「誤解」なのか? - lessorの日記

    話題となっている報道ステーションでの石原「尊厳死」発言。動画は消されてしまうかもしれないので、文字に起こしてみた。 報ステ 石原伸晃 ナマポ 尊厳死発言-2012年09月11日 http://www.dailymotion.com/video/xtgvfv_yyy-yyyy-yyy-yyyyy-12y09y11y_news 古舘 「ぜひ具体的にお伺いしたい。社会保障もどんどん増えてます。これはある部分で「切るものは切らなければいけない」「削るものは削らなければいけない」というお考えでいけばですね、具体的に高齢者の医療の自己負担をたとえば70歳から75歳までで上げる。あるいはまた後期高齢者をどうするか。あるいはまたいろんな自己負担のあり方、富裕層に対しては自己負担率をお年寄りは上げてもらうとか。そのあたり具体的に伺いたいんですね。間に合わないのはわかってますから、みんな。教えて下さい。」 石

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    showgotch 2012/09/14
  • 判決要旨の言っていることがよくわからない - 泣きやむまで 泣くといい

    先日のブログ記事で触れた「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」判決。多くの人が「判決文はどこで読めるのだ」と思っていたところ、判決要旨がネット上で読めるようになった。どなたかわからないが、アップロードしてくださった方(山眞理さん?)に感謝。 判決要旨 http://www.jngmdp.org/wp-content/uploads/20120730.pdf 特に問題となるのは要旨の終盤部分である。引用したい。 第2 具体的な量刑 1.そこで被告人に対する具体的な量刑について検討する。被告人や関係者等を直接取り調べた上で件行為に見合った適切な刑罰を刑事事件のプロの目から検討し、同種事案との公平、均衡などといった視点も経た上でなされる検察官の科刑意見については相応の重みがあり、裁判所がそれを超える量刑をするに当たっては慎重な態度が望まれるというべきである。 しかしながら、評議の結果、

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    showgotch 2012/08/02
  • 「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」という判決について - 泣きやむまで 泣くといい

    姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」 http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012073001002297.html 司法が「社会秩序」とか言うな。そんなことは誰も頼んでいない。 関係者ならばよく知っている言葉に「社会的入院」というものがある。この言葉に馴染みのない方はwikipediaの説明でも読んでいただければよい。今回の判決には「社会的入院から社会的入獄へ」なんて皮肉まで聞こえているけれど、ダメな福祉や医療が推し進めて批判されてきたことを、新たな形で「司法」が支持するならば、地域生活を送るためのシステムづくりに向けて社会が気で尽力しない現状に、誰がどう歯止めをかけられるのか。 その意味では「社会的入院」よりもさらにタチが悪く、おそろしい話。裁判員裁判「だから」こうなったのか。裁判員裁判「なのに」こうなったのか。裁判員だろうがなか

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    showgotch 2012/07/31
    デマであることを願う
  • 「現場をわかってない」にアカデミズムはどう対抗するか? - 泣きやむまで 泣くといい

    Twitterでも少し書いたけれど、再整理してみる。 覚えておきたい「橋下リテラシー」 http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20120115 予想するに、おそらく画面上で今後も大学教授や知識人は負け続けるだろうと思う。残念ながら「論理」や「実証」をもってしても、勝てる気がしない。たとえ議論で勝てることがあっても、テレビで勝敗を決めるのは視聴者なのだから。橋下氏は、あの口調であのテンポであの表情で余裕しゃくしゃくと上から下からしゃべり続ける。「自分は現場を知っている」と主張しながら。対戦相手は熱くなれば「痛いところを突かれたのだ」と視聴者に判断されるし、冷静であり続ければ「現場と同じ目線で物を見ていない」と判断される。どう転んでも、負けた印象はぬぐえない。 反橋下の人たちが考えたほうがよいと思うのは、これから国政も含めての彼の「暴走」にブレーキをかけたいのであれば

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    showgotch 2012/01/16
  • 「知的障害者」に雇われる仕事、の可能性 - 泣きやむまで 泣くといい

    あまり話題になっていないようだが、インパクトはすごいニュース。 知的障害者が障害者グループホーム運営 NPO「ピア」島原で(長崎新聞) http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110828/01.shtml 知的障害者の生活支援や電話相談などに取り組んでいる知的障害者の当事者団体、NPO法人「ふれあいネットワーク・ピア」(部諫早市福田町)が、障害者向けのグループホームの運営に乗り出した。障害者自らが福祉事業に参入するのは全国でも珍しい。 「ピア」は障害者向けの福祉事業を展開する社会福祉法人南高愛隣会(雲仙市瑞穂町)の利用者で組織している。1989年に発足し、2005年にNPO法人化。県内に5支部あり、会員は約400人。重度障害者の自宅に出向いて話し相手になったり、家事の手伝いをする人材派遣事業や電話相談事業(いずれも有償)などを行っている。 発足当初から会

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    showgotch 2011/09/28
  • 障害は「関係」の中にある、でよいか? - 泣きやむまで 泣くといい

    現代思想2011年8月号 特集=痛むカラダ 当事者研究最前線 作者: 熊谷晋一郎,大澤真幸,綾屋紗月,信田さよ子,宮地尚子,小泉義之,河英夫出版社/メーカー: 青土社発売日: 2011/07/27メディア: ムック購入: 15人 クリック: 101回この商品を含むブログ (14件) を見るに所収の論文。三井さよ(2011)「『知的障害』を関係で捉えかえす ―痛みやしんどさの押しつけを回避するために―」を読んだ。 『現代思想』って、査読的な仕組みはあるのだろうか。社会学者が社会学者であろうとすることが、はたして現場にとっていかなる意味をもつだろうか、と考えるのによい論文(研究ノート?)であった。 まず、著者の主張を、要約してみよう。 1.「知的障害」を社会的なものであるとする理論的志向が強まっている。何かが「できる」「できない」が問題化するのは、社会的な文脈に依存するのだから、「身体障害」

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    showgotch 2011/08/20
  • 理念を大事にしたいのは誰だ? - 泣きやむまで 泣くといい

    誰かを支援することの理念「だけ」を説き続けられるのは、特別な立場の者だけである。そんな立場に身を置ける人は多くない。理念だけで支援ができるわけではない。 知識。技術。そして経営。 では、理念なき知識や技術が人を支えられるだろうか。理念なき経営が成功するだろうか。 「無理だ」と言いたい。 しかし、今の自分にはそう思えない。 理念は確かに支援者を牽引する。共感した人々を魅了する。方法を導く。 「誰かの暮らしを支えたい」という程度のものを、自分は「理念」や「哲学」とは呼ばない。どのように人が生きられる社会を作るべきなのか。人の生活を支えるとは何をすることなのか。地域で生きるとは何を実現することなのか。 それでも、制度化された支援は、理念がなくともまわる。理念に信頼を置けないから使えない、なんてことはない。「使う」側は、子どもを預ってもらうことに理念を必ずしも求めない。行政だって、事業所に理念なん

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    showgotch 2010/12/06
  • 「治るのか」という問いを問う - 泣きやむまで 泣くといい

    少し前に話題となり、既に叩かれまくっているようだけれど。 【解答乱麻】明星大教授・高橋史朗 豊かな言葉がけ見直そう http://sankei.jp.msn.com/life/education/100419/edc1004190041000-n1.htm もうどうしようもなく偏った内容で、これを読んだ子どもの保護者とか親類とかのたとえ1%でも全て鵜呑みにしてしまったらなどと考えると、ただ暗い気持ちになる。 こうした主張が繰り返されてしまうことを何が可能にしているのだろうか? ひっかかるのは「治る」ということの意味である。 「障害」と「病気」は違う、と言われる。 そして、病気は治るが、障害は治らない、と言われる。 この説明はよくわからない。治らない病気、があるのはよく知られている。 病気→障害の因果関係が言われることもある。 しかし、こうした単線的な理解は否定されてきたし、自分の関わるよう

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    showgotch 2010/04/26
  • 大氷山の一角 - 泣きやむまで 泣くといい

    車いす少女の中学入学を拒否…奈良・下市町、財政難理由に http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090404-00000525-yom-soci 奈良県下市町の町立小学校を今春卒業した、下半身不随で車いす生活を送る少女(12)が、入学を望んだ町立中学校の設備が不十分として、同町教委から入学を拒否され、養護学校への入学を勧められていたことがわかった。 両親が4日、記者会見し、「小学校の友達と一緒に入学させてやりたい。普通学級の方が子供のリハビリにもいい」と訴えた。 地方公務員の父親(51)や町によると、少女は出生時の脳性まひで下半身や右腕などが不自由。自分で車いすを使って少しなら移動できるが、通っていた同町立阿知賀小では介助員2人が付き添い、特別担任の元で学校生活を送った。 中学入学手続きの前に、医師や教諭らでつくる町教委の諮問機関・就学指導委員会(10人)で

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    showgotch 2009/04/07
  • [障害者支援]「障害児支援の見直しに関する検討会報告書」を読んでみた(2) - 泣きやむまで 泣くといい

    障害児支援の見直しに関する検討会報告書 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0722-5a.pdf 学齢期編。 3.学齢期・青年期の支援策 (1)放課後や夏休み等における居場所の確保 ○ 学齢期になると、障害児の日中活動は学校が中心となるが、放課後や夏休み等における居場所の確保策の充実を求める声が多い。障害児の保護者の仕事と家庭の両立を進めるという観点や、レスパイト(一時的休息)の支援を行うという観点からも、重要な課題となっている。 ○ 現在の支援策としては、市町村の地域生活支援事業として実施されている日中一時支援事業と、当分の間の措置として認められている経過的な児童デイサービス事業がある。また、一般施策においては、安心・安全な児童の居場所の確保策である放課後子ども教室、概ね10歳未満の児童を対象とした留守家庭対策である放課後児童クラブ、及び児

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    showgotch 2008/08/31
  • 歪まされる研究 - 泣きやむまで 泣くといい

    社会福祉の大学院というところは、多様な立場の者がともに研究をする場である。後輩と言っても、人生においては大先輩であったりする。その後輩もそうだった。現場での経験は長い。現場で重要なポストを担うところまで働いた人だ。豊かな実践経験を手に、研究の世界へと移ってきた。すでに某所で学生に社会福祉を教えていたりもする。 現場で長らく仕事をしてきた方なので、研究の実証的な正しさが現場での有用感に結びつかないことを痛感しており、そうした問題意識を春先には発表で語ってくれていた。これからどう展開させていくのか興味深いと自分は思っていた。 そして、先日、発表があったのである。しかし、そこで出てきた博士論文の構想は、常識の部類に属すると思えることを、厳密な統計手法を用いて明らかにしようとするものだった。自分は率直に批判した。ここから何も新しい知識は生まれない。現場で長く仕事をしてきた人が、この内容を当に明ら

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    showgotch 2008/01/18
    問題意識のない博士の増加→問題意識の強い博士の職がなくなる、のスパイラル
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