――逆にいうと、売れないお店というのは、品揃えも焦点がハッキリ合っていて、客側で想像力が働く余地がないということになりますか。 和田 そうでしょうね。なんでそうなるかというと、最初に「ビジネスモデル」があるからです。 例えば新宿駅東口徒歩1分の立地に何か店を作るとしたら、まず人の流れや客層を調査するでしょう。で、何をどうやって売るのが最も効率が良いかを考える。すると、大手資本なら、5社あれば5社とも似たような店を作ろうとします。使っているモデルなんて、利益最大化を目的にしたらどうしたって似てくるから。これじゃあどこにでもある店しかできないわけで、面白くないですよね。 井野 ベルクの場合、「駅にある店はどうあるべきなんだろう」って、ずっと模索してきました。メニューも増やしたほうがお客さんが喜ぶから、どんどん増やしていったんです。例えばカレーを始める時は、反対する社員もけっこういました。コーヒ
