日本記者クラブで会見した小池知事。「衆院選シフト」は都政運営にも影響しそうだ(写真:ロイター/アフロ) この1週間で、都内での小池百合子知事の支持率が急落している。筆者が代表を務めるJX通信社が先週に引き続き9月30日(土)・10月1日(日)の両日に実施した東京都内での衆院選情勢調査で、小池百合子知事を「強く支持する」「どちらかと言えば支持する」と答えた有権者は先週から10ポイント減って48%となった。 前回から今回までの1週間で、小池知事の支持率は大きく変化した知事の国政転身は「ハイリスクなギャンブル」かまた、取りざたされている小池知事の辞職と国政転身については、72%が「どちらかと言えば反対する」または「大いに反対する」と答えた。「大いに賛成する」「どちらかと言えば賛成する」と答えた有権者は21%にとどまっている。 小池氏の国政転身が取りざたされていることを受けた「知事を辞職して、衆院
「楽しくなければテレビじゃない」とはかつてのフジテレビの名キャッチコピー。 じゃ、笑いを引き起こすためにわざわざ人を傷つける必要があるかと言えば、それはNOでしょう。 昨日(平成29年9月28日)放映した番組「とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念SP」の番組内コーナーにおいて、とんねるずの石橋貴明氏が「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」というキャラクターで登場。懐かしい、といえば確かにそうなんですが…。 他の出演者とともに、「ホモ」という単語を数度に渡り発言し、番組全体として男性同性愛者を笑い、というか嘲笑の対象としていたわけですよ。 30年前はいざしらず、少なくとも現在では「ホモ」という単語は男性同性愛者に対する蔑称だという認識はわりと一般的になっていて、その存在自体を嘲笑の対象として表現することは問題あり!と言わざるをえないなぁ、と。 30周年を機に、過去の名物コーナーのキ
以前取材した性暴力関連のイベントで、登壇者が「痴漢防止のためのポスターは『痴漢は病気です。犯罪者になる前に病院へ行こう』という内容ではどうか」と提案したことがあった。アルコール依存症やギャンブル依存症と同じように、「痴漢するスリルがやめられない」人が実際に存在する。性犯罪の加害者治療にあたる精神科医から「『痴漢は犯罪です』というポスターを見ても、痴漢加害者は『自分は優しく触っているから痴漢じゃない』と思い込んでいる」と聞いたことが、この提案の背景にあった。(詳細はこちらの記事) 痴漢は依存症であり、病気。だから再犯防止ための治療が必要であると言われる。一方で、性被害の現場を知る人からは「病気と見なされれば免罪されてしまうことになるのでは。それが怖い」という声もある。 今年8月に刊行された『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)は、痴漢や強姦など性犯罪の加害者臨床に携わってきた精神保健福祉
極端な小食でやせ細ったり、むちゃ食いしては嘔吐を繰り返すなどの摂食障害。女子刑務所には、この摂食障害を患う受刑者が増えている。多くは窃盗犯で、服役を繰り返す者も多い。なぜなのだろうか。その現状と背景、対応などを4回にわたってレポートする。 万引きがやめられない 札幌刑務支所は、最も北に位置する女子刑務所だ。ここに服役するA子(35)は、南関東の出身。万引きを繰り返し、何度か捕まった末に、とうとう実刑判決を受け、初めての服役中だ。 筆者のインタビューに答えるA子 A子は、15年ほど摂食障害に悩まされてきた。 きっかけは、20歳の時、両親が離婚したのを契機に、祖母の家で暮らすようになったことだ。その時の寂しさは、何かを食べている時だけは忘れられた。 ついついたくさん食べ、食べ過ぎた後は嘔吐するようになった。症状は進み、普通に食事をした後、さらに2食分くらいの食べ物を詰め込むようになった。食費の
■ バニラエアだけではない、物言う人を叩く傾向昨日、「バニラエア問題、声をあげた人へのバッシングはもうやめて。生きづらさを助長していませんか?」という記事を書きました。 バニラエアに搭乗しようとした障害者の方への配慮を欠く対応について、異議を唱えた障害者の方がバッシングに晒された、という問題です。この問題では会社が謝罪し、政府も対策を打つことになったというのに、バッシングが鳴りやまない、とても残念に思います。 しかし、考えてみると、不正なことを正そうとし、権利を主張する人たちへのバッシングが、最近日本の至る所に広がっているように思います。 その特徴として、私が書いたことがこちら こうしたバッシングの根底にあるものはなんだろう?と考えることがあります。 日本では、小さい時から校則などのルールが厳しく、小さい子が教えられることは「きまりをまもる」「迷惑をかけない」ということです。校則には不合理
今年1月。東京都足立区のJR綾瀬駅でホームから人が転落し、駅の約300メートル手前で電車が緊急停止。約15分後、停車していた車内から40代男性会社員が電車の窓を開けて線路に降り、綾瀬駅に向かって歩き出すという出来事があった。男性の行為で、別の線路を走るJR常磐線快速電車や直通運転している東京メトロ千代田線も一部区間で最大1時間運転を見合わせ、10万人以上に影響が出るトラブルになった。 男性はなぜ線路に降りたのか。駅員に保護された男性は「会社で大事な会議があり、遅れられなかった」と説明したという。「大事な会議」という会社の論理に惑わされ、社会のルールを破った男性に対し、ネット上では「まさに社畜」「この人は奴隷か?」「日本社会の狂気を凝縮したような話だ」などというコメントが寄せられた。
1週間で約1000球 夏の甲子園はすでに終わりましたが、べつの高校野球の大会が世の中をザワザワさせています。 高野連が主催する全国高校軟式野球選手権大会・準決勝で、岐阜・中京高校と広島・崇徳高校が、4日間、延長50回に渡って試合を繰り広げたからです。軟式高校野球では、延長は15回で打ち切ってサスペンデッドゲーム(一時停止試合)となり、翌日にその続きを戦うというルールとなっているためにこのようなことが起こりました。 4日間に渡るこの試合で、中京の松井投手は709球、崇徳の石岡投手は689球を投げました。また、この試合が始まる前日(8月27日)の準々決勝でも両投手は相手チームを完封し、この準決勝に臨んでいます。実は彼らは5連投なのです。さらに勝った中京高校は、試合後そのまま決勝の三浦学苑戦に臨みました。そう、なんとダブルヘッダーだったのです。 松井投手はこの決勝でも、4回途中から登板して最終回
「笑ってごまかそうと思った」18日の都議会で、妊娠・出産・不妊に悩む女性への支援を訴えた女性都議、塩村文夏(あやか)さん(35)に対し、「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」というヤジが飛んだ。こんな差別をいつまでも許していてはいけない。 塩村さんは朝日新聞の取材に次のように語っている。 「私も結婚や妊娠に悩む世代の当事者。あんな風に言われると、悲しい」 ――塩村さんもヤジを受けて一瞬笑った 「苦笑です。えっ、なんだよと。笑ってごまかそうと思ったが、別のヤジも飛んできてボディーブローのように効いてきて、ごまかしきれなくなった」 ――その場で反論しなかったのはなぜか 「本当に不意打ちだった。返せなかった。不規則発言だと議長にアピールして議事録に残す方法は知らなかった」 都議会という地方自治の片翼をなす公式の場で公然と行われた性差別に対して、被害者である当の女性都議がこの程度の憤りしか表
「助けて」と言えずに孤独死する、“就職氷河期世代”の存在が、以前、問題視されたことがある。 そんな彼らも、40代。 正社員化や、賃金アップなど、“非正規社員に光”があたり始めたような報道が、最近、増えつつあるが、ミドルの非正規社員を取り巻く環境の厳しさは、あまり知られていない。 先日、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「壮年非正規労働者の仕事と生活に関する研究」の結果が、公表された。 「若年非正規労働者(25~34歳)の相対的貧困率が、23.3%と5人に1人であるのに対し、壮年男性(35歳~44歳)では3人に1人(31.5%)。つまり、40代に突入した“氷河期世代”は、若い人たちより貧困率が高い」 こんな厳しすぎる状況が明らかになったのである。 なぜ、壮年男性のほうが、若手よりも貧困なのか? その理由は、「誰が家計を支えているのか?」にある。 若年層の7割が、「親」が家計維持者であ
今週のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」。 戦時体制での政府や軍の愚かさや非情さを克明に描いている。今週始めのドラマでは、戦時中に流れていたラジオ放送が登場したが、当時は実際にこんな放送が行われていた。 「空襲はさほど恐ろしいものではないと?」 「そうです。爆弾というものはそれほど当たるものではありません。むしろ防空活動をおろそかにして街を焼けるにまかせる方が恐ろしい。敵の思うツボですから」 東京を始めとする大空襲で大勢の市民が犠牲になった背景に、当時の政府による「無謀な」指示や指導があったことをうかがわせる。 今週の「ごちそうさん」は、実はテレビドラマの歴史上で画期的なものだといえる。 戦時中の政府や軍による「愚かな政策」によって、空襲における市民の犠牲者が膨大になってしまったという過去の歴史を直視し、空襲における国などの無策をこれほど明確に示したことはテレビドラマではかつてない。 「
「もう、絶対許しません」ーー日航機の爆破予告などをしたとしてハイジャック防止法などの疑いで再逮捕された片山祐輔氏の弁護人である佐藤博史弁護士の怒りが炸裂した。片山氏は5日、東京地検に身柄を送られたが、そこで検事が弁解録取書の作成にかこつけて脅迫的な取り調べを行ったり、事実と異なる記載をしようとした、という。これまで、検察側の対応には期待を寄せていた佐藤弁護士だが、「こちらは、録音・録画をすれば黙秘せずに話すと言っているのに、こういうことをするとは…」と怒り心頭。今後は検察とも全面対決の方針で、勾留質問などで裁判所に行く時以外は留置場から出ず、一切の取り調べに応じないことになりそうだ。 検察官の対決姿勢に反発弁解録取書とは、逮捕された被疑者に対し、容疑についての言い分を初めに聞いて作成される文書。片山氏は、これは取り調べとは異なる手続きとして、警察でも作成に応じている。 佐藤弁護士によれば、
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