【北京=五十嵐文】中国が米国で手がける初の高速鉄道として注目された米西部のネバダ州ラスベガスとカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ全長370キロの高速鉄道の建設計画について、米側の事業者が中国企業連合との合弁を解消し、頓挫したことがわかった。 同路線は昨年9月、中国の 習近平 ( シージンピン ) 国家主席の訪米直前に、米エクスプレス・ウエスト社と中国国有企業「中国鉄路総公司」が率いる中国企業連合の合弁事業として推進することで合意していた。今年9月にも着工予定だった。 だが、エクスプレス社は今月8日、合弁解消を発表。中国企業連合による認可取得が難しく、工事に遅れが生じることなどを理由としており、米連邦政府が高速鉄道車両の「米国内での生産」を求めていることも障害だと指摘した。 中国企業連合は10日、一方的な合弁解消は「無責任であり、反対」とする声明を国営新華社通信を通じて発表した。