『戦争のはじめかた』70点(100点満点中) 登場する戦車は、なんと個人が所有する本物 ドイツ・イギリス合作の反戦ブラックコメディ。トロント映画祭で絶賛された直後にアメリカで同時多発テロが起こり、その関係で5回も全米公開が延期されたという、時代に翻弄された作品。 舞台はベルリンの壁崩壊直前の西ドイツ、駐留米軍のとある補給部隊。平和でやることのないこの軍隊は、倫理観がすっかり麻痺してしまっている。主人公のエルウッド(ホアキン・フェニックス)は、物資をちょろまかして横流ししたり、軍の機材でヘロインを精製してブラックマーケットに流すなどやりたい放題だ。そこにやってきたのが新任の鬼軍曹(スコット・グレン)。今までと違い徹底的に不正を取り締まる彼に対し、エルウッドは彼の娘(アンナ・パキン)をナンパして憂さ晴らししようとするのだが……。 なぜ『戦争のはじめかた』がアメリカで公開延期されたかといえば、徹