出不精の私でも、一日における時間帯は日時計で何となく分かるものだ。日が登ってきたからそろそろ正午近いなあとか、空が赤くなってきたから夕暮れ時だなとか、おおよそは判断出来る。 それが人の一生となると、どうだろう? 今が人生の何時頃なのか、誰に分かるというのか。 私がアイドルを初めて、何年と経っているわけではない。 おそらくまだ正午にもなっていないと思う。まだまだこれから、なのだろう。 だけど、私もいつか最後のステージに立つときはきっと来る。それがいつ、どんな形で訪れるのかは分からないけれど、必ずその時は来るのだから。 どんなことにだって、どんな人にだって始まりがあれば終わりがある。 先日、茜さんと買った雑誌に掲載されていた先崎九段のコラムが、のどに刺さった小骨のように、ずっと心に引っかかっている。 『羽生ほど偉大な棋士はいない。彼は1人で世界を変えて見せたのだ。彼はシェイクスピアであり、ニュ