会社更生法で再建手続きを進めている武富士を事実上買収するスポンサーに、韓国の消費者金融大手「A&Pファイナンシャル」が選ばれる見通しになった。管財人は近くA&Pに優先交渉権を与え、月内にも最終契約を結ぶ方針だ。 武富士は昨年9月、顧客が払いすぎた「過払い利息」の返還が重荷となり、会社更生法の適用を申請し、倒産した。A&Pの入札額は数百億円とみられ、これが過払い利息の返還に充てられる。ただ、返還請求の総額は1兆円を上回る規模のため、顧客が実際に受け取れるのは請求額の1割未満となる見込みだ。 韓国では消費者金融業界が急成長している。A&Pは契約締結後、武富士の人員やシステム、店舗網などを活用して貸金業を再開させ、日本市場に本格進出する狙いとみられる。ただ、過払い利息の返還を求めている人らは、武富士の営業再開に強く反発している。このため、営業再開には「武富士」ブランドを変えるなどの対応を迫ら