「先行する紀伊国屋に、ジュンク堂が新規参入」-。十年ほど前、福岡市で大手書店の進出・売り場拡大が相次いだ「天神ブック戦争」を思わせる状況が、台北市で起きている。海外とはいえ、日本への関心度が特に高い台湾。日本の大手書店の店舗拡充は、日本人駐在員だけでなく、地元住民にも「日本の情報や文化に触れやすくなった」と喜ばれている。 (台北・小山田昌生) 日本人駐在員家族が多く住む台北市北部の天母(てんむ)地区。5月に開業した百貨店、太平洋そごう天母店の7階にジュンク堂書店の台湾1号店、台北天母店が店を構えた。 売り場の7割を占める日本書籍は約10万冊。現地書店と提携し、台湾書籍も置いている。来店客の9割は台湾人。渡辺健店長は「台湾の方から日本の専門書の問い合わせも多い。料理やファッション、芸能の本は日本語の読めない方にも人気がある」と、読者層の幅広さに目を見張る。 これまで台湾で日本の本を買う場合は