「最下位」で何がまずいのかに話を戻しましょう。日本の数字はゼロを超えているので、その意味では最下位でも何の問題もありません。むしろ、米欧のようにゼロを大きく超えてしまうことと比べれば、ゼロを少し超える程度であるほうがずっとましです。最下位だからといって肩を落とす必要はありません。 しかしながら、ゼロを超えるか否かということとは別に、消費者物価の上昇率が長いあいだ最下位あたりにあるということに、まったく問題がないとは言えません。消費者物価の水準の格差が日本とその他の国々とで年々拡大し、そしてそれが積もり積もっていくと、日本の物価が海外の物価に比べて3割も4割も安いという、大きな内外価格差が生まれてしまうからです。 輸入品の値上げが進まない 次に、なぜ日本のインフレ率が最下位なのかを考えてみましょう。とくにパンデミック2年目から3年目になって、日本が最下位となった理由は何でしょうか。 下の図は
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