本人の言葉を借りると「もともと引きこもり」だった。だがYouTubeで作品を発表し続け、それらがキュレーターの目に留り、気づけば理系の最高峰MITメディアラボからラブコールを受けるまでになっていた。そのエネルギーは、いったいどこから生まれるのか。 昨年、スプツニ子!が発表した『ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩』は、月面にハイヒールの跡を残すべく、機械を作り出す理系女子の物語。この作品が見る者を静かに興奮させたのは、月や火星のような場所に最初に降り立つのは男、という固定観念がどこかにあったから。だから、スプツニ子!の大胆な発想で突っつかれると、なぜそれを当たり前と思っていたのか、自問せずにはいられなくなる。 「自分では極端なことをやっているとは思っていないんです。すべて理詰め。作品を通して、多くの人に問いかけをしたい。発想が変われば、世界が変わると思う」 当の本