財務問題で幹部が退任し、存続の危機に面していたクラブを救うために登場したホワイトナイト。地元企業の創業者が社長に就任し、クラブをバックアップ。そして勝ち点を重ねることでその恩に報いる――。 そんな長崎のJ1昇格のストーリーは、日本国内に数多くある地方クラブが憧れるに十分な夢物語だろう。 ドイツで取材していて思うのは、国内各地にそれなりの大きな企業があるなということ。ドイツでは地方に企業が分散しているため、財政赤字問題を抱えるのは地方ではなく、首都ベルリンだという。首都に企業が集中し、地方都市の疲弊が目立つ日本とは大きく違う。 そもそもドイツのサッカーチームのほとんどは、地元のスポーツクラブ内のひとつという位置づけだ。だから組織自体が大きく、それにかかわる人も多い。同時に地元企業がそのクラブをサポートしてくれる。ホームタウンの人口が少なくても、大企業がクラブを支えるケースは、ヴォルフスブルグ