宝塚にハマるとやばいらしい。 長年オタクをやっていれば幾度となく耳にするうわさだ。腐女子生まれバンギャル育ち。オタクなやつ大体友達。そんなわたしが初めて宝塚を観たのは4年前。普通に楽しかったけれど、ウワサほどハマりもしなかった。 それなのに今、宝塚に命を燃やす覚悟を決めている。 オタク女、その日運命に出会う 2018年1月、宝塚歌劇で『ポーの一族』が上演されることになった。「少女漫画の神様」とも評せられる萩尾望都先生の傑作を日本ミュージカル界きってのヒットメーカー小池修一郎先生が手掛けるという。何より発表されたポスターの美しさ! どう考えても観たい。周囲のヅカオタを頼り、運よくチケットを手に入れたわたしは宝塚大劇場へ向かった。 舞台は19世紀イギリスの古い港町。少年の姿のまま永遠の時を生きる主人公エドガーを中心に物語は展開する。エドガーの妹メリーベル、二人の親代わりであるポーツネル男爵と妻