長崎県の離島、大島の県立大崎高校がこの春、選抜高等学校野球大会に初出場する。1人の監督が、わずか2年半で、部員5名の弱小チームを一気に生まれ変わらせた。監督の名前は、清水央彦。清峰(長崎)のコーチおよび部長として春夏計4度甲子園に出場し、佐世保実業(長崎)では監督として2度甲子園に導いた。しかし、「不適切な指導」があったとされ、2度、学校を辞めている。「大崎高校物語」は大崎だけでなく、そんな清水の再生の物語でもある(全3回の2回目/#1、#3へ)。 ――清水さんが監督に就任した2018年春、20人もの新入部員が集まったんですよね。この僻地にそれだけの選手が集まるだけでもすごいのに、その選手たちは、それなりに実力者だったそうですね。 清水 西海市の西彼中学が前年、全国大会に出場していまして。そこから4人入ってくれた。そして中体連の長崎県の優勝チームのエースである坂口(航大)がうちに来てくれる