標記の件について、先日有志の研究会で発表した内容があるので、転記します。目指したのが「まったく予備知識のない学部生でも、わたしの問題意識が伝わるようにする」というところだったので、ぜひ内容についてご批正いただければ幸いです(本文が常体だったり一人称が「発表者」だったりするのは、そういう事情からです)。ちなみにかなり長いので、何回かに分割してポストします。 はじめに 文法教育というテーマは、国語教育全体からみるとあまり盛り上がっていない。全国大学国語教育学会の学会誌『国語科教育』を見ても、直近5年ぶん(約90本)でタイトルに「文法」を含み、いわゆる「言葉のきまり」にあたる内容を扱っているものはわずか1本だけだった。近年『品詞別 学校文法講座』(明治書院)が刊行され始めたのは、学校文法を考え直すための重要な一歩である。だが、その取り組みはまだ始まったばかりだといえる。 一方で文法は、中学校国語