「アパレル業界で注目のIT企業はどこですか?」 仕事柄、そんな質問をよく受ける。メディアが注目するZOZO(ゾゾ)と答えてほしいのか。それとも今年からアパレル業界に本格参入するアマゾンと答えてほしいのか。しかし、私はここであえて相手が予想もしていなかった企業名を答えるようにしている。 ファブリック・トウキョウ。 東京都渋谷区にあるオーダースーツを販売する企業である。サービスリリースは2014年。従業員数は2018年にようやく70名を超えたばかりのベンチャー企業だ。ゾゾやアマゾンとは比較にならないほどの小さな会社だが、それでも私はこの会社が近い将来、日本のアパレル業界を代表するIT企業になると予想している。なぜならば、ゾゾやアマゾンよりも、ITとファッションのことを熟知しているからである。 「ネットから実店舗への集客」に注力 ファブリック・トウキョウの強みは、ネットとリアルの絶妙な融合にある