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ブックマーク / lleedd.com (4)

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » いまさらながらiPhone 3Gのボディの秘密に気がつきました

    分解大好きお姉さんの万里子さんが、不要になったiPhone 3Gを分解しました。その結果、今更ではありますが、ひとつ発見がありましたので報告します。 上の写真は、3Gのプラスチックボディの内側です。よく見ると通常のプラスチック部品ではあまり見られないツールマーク(縞模様のような溝)が見られます。この溝は、ボディの内側をNC加工(コンピュータコントロールのドリルによる切削)した痕跡です。 ユニボディと言われるMacBook ProやAirは、アルミニウムの固まりから削って内面を作るので、ボディの内側全体がNC加工のツールマークに覆われています。これはiPADも同じです。しかし、プラスチックの部品の場合は、型に始めからかなり複雑な形状を作り込むことができるので、後から加工することは通常行われません。 にもかかわらず3Gのボディの内側は、全体の5分の一ぐらいの面積がツールマークで覆われていました

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 数万人の足になる

    この1年、公的助成を受けながらメーカーと協力して開発してきた義足の試作機が、いくつか形になってきました。今、全国にちらばる約30人の義足ランナー達に協力してもらってのフィールドテストの真っ最中です。 義足の使用者は日全国で約八千人にすぎません。一時使用の人やお年寄りも多いので、スポーツ用義足を必要とする人は、潜在的な需要を合わせても数百人でしょう。しかも、失われた脚の状況は一人一人違うので、ひとつのデザインがカバーできる人の数は当に少ない。今回のフィールドテストでも、こちらから提供する部品を使いつつ、それぞれの被験者を担当する義肢装具士がひとつ一つ手作りしています。 デザインという職業は、近代産業の中で、ひとつのひな型が大量生産される事を前提に成立しました。従ってこれほどの少量生産では、従来の意味でのデザイン・ビジネスは成立しません。しかし、「先端技術と人の関わりを設計する技術」という

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 日産自動車をやめた理由

    上の絵は日産自動車にいたころにインフィニティQ45のイメージスケッチとして描いた絵です。 その頃に御世話になった平田さんから、先週、日産を定年退職されるというメールをいただきました。何もできない上に、集団行動のとれなかった私は、迷惑をかけ通しだったと思いますが、平田さんの言葉や絵から学ばせていただいたことが今も財産になっています。 私は日産自動車を5年でやめています。平田さんはじめ、みんな素敵な人たちだったし、仕事も楽しかったのですが、専用シャトルバスと社員堂に耐えられなかったんです。全員が同じバスで一斉に出勤することや、お昼休みに一斉にご飯をべるのが、毎日とてもこわかった。 一匹狼を気取るほど勇ましくはないです。みんなと一緒にやれと言われるのがなんか憂なだけ。そんなワガママなと思うでしょう。私もそう思います。こんなんで良く先生やってるなー。 坂井直樹さんにこの話をしたら「山中さん、

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 天使は昆虫から進化した

    骨展が終わって、人前で話す機会が減ってほっとしていたのですが、このところ立て続けです。昨日はとうとうダブルヘッダー。 第1試合は、お台場テレコムセンターで行われたキッズデザインセミナー。「iPhoneを使いこなす赤子」のムービーに、皆さん相当の衝撃を受けていただいたようです。当分使えそう。 第2試合は、森美術館で開催されている展覧会「医学と芸術展」の関連イベントで、理化学研究所の倉谷滋さんとの対談。生物の形態進化と発生がご専門の倉谷さんは、当にお話が上手なので、私自身が楽しませていただきました。 倉谷先生いわく「天使は進化発生学的に見ると、六足の動物から進化したとしか考えられない」。生物は、進化の過程で様々な器官のつながりを急に変える事はできない(ジョフロアの法則と言うそうです)ので、鳥の翼が祖先の恐竜の前足に由来するように、天使やペガサスの祖先には、後に翼になるもう一対の足があったは

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