何か新しい概念が提唱され、新語が定義され、Hypeが生まれ、カネが流れ、そのHypeのまわりに会社がたくさんでき、メディアが騒ぎ出す。それで試行錯誤の末、新しい概念が正しかったことが証明される場合もあれば、間違っていたことが後になってわかることもある。その過程で稼ぐ人もいれば損をする人もいる。こんなことは、IT産業で、これまでに何度も何度も繰り返されてきたごくごく当たり前のことである。 むろんこういうプロセス自身を「嫌いだ」と思う人がいるのは自然だ。IT産業におけるイノベーションのベースにあるチープ革命の進行は暴力的ですらあり、ITは既存の組織や枠組みを壊す性格を持つから、それ自体を好ましくないと思う人たちも数多くいる。 しかし「Web 2.0」を巡る感想・印象の類を聞いたり読んだりして思うのは、どうも普通の新語以上に「Web 2.0」には、ある種の人々から「嫌われる理由」が何かあるようだ
エストニアの首都タリンにあるオープンカフェで、Veljo Haamerは、この小国が無線インターネットアクセスの分野で最先端を走っている理由について語ってくれた。 エストニアでは、素晴らしいWi-Fi(無線LAN)ネットワークが国中に張り巡らされており、僻地でさえその例外ではない。その素晴らしさは米国の大都市が恥じ入るほどだが、この功績の少なからぬ部分はHaamerのような草の根で活動するギークの手になるものだ。この3年間、Haamerと数人の仲間たちは、WiFi.eeという組織に籍を置きながら、ボランティアのエバンジェリストとして、エストニアのカフェ、ホテル、病院、公園、公共機関、さらにはガソリンスタンドにまで無線LANの導入を説いて回り、ネットワークの設計と構築に手を貸すなどして、大きな成果をあげてきた。 私は最近、3週間ほどかけて、エストニア国内を回ってきたが、小さな町のカフェや市の
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