日記 人は長いこと病んでいる人間には冷酷だ。終わりに見える病には寛容だけれども。 長いこと病んでいる人と付き合うと、その病ゆえにその人といるときはさまざまな制約が付きまとう。病んでいる人のめんどうなことに付き合うのが嫌になる。「またかよ、」と白々とした気持ちになる。 その白々とした人々にまだすがりたいものは、もっともっと蝕まれることを欲するだろう。 病む人は助けを求めるが、助ける能力のある人までたどりつくことは稀だ。 病む人はさまよう。 病む人が蝕まれるのは、その責を自ら引き受けるには重過ぎるからだ。そのからだには耐え切れぬものだから。 だから、他人にも少しは引き受けて欲しいと考えたりする。 しかし、誰もその「責」を引き受けられる者はいない。病はその人のからだに深く食い込んでいる。 すがられたくないのなら、突き放さないかぎり、病につけこまれるだろう。 時に病む人は同じ病に蝕まれる人に理解さ