死刑反対論の根拠としてよく言われるのは冤罪の可能性で、死刑にしてしまえば取り返しがつかない。人間のやることだから間違いは必ず生じる。 だけど、死が取り返しがつかないことなので何も決定できないとなったら、例えば延命治療の中断や選択もできなくなる。延命とは治療する側の論理であって、本人が奇跡的に回復し生き残る可能性はあり、そんなことは誰にも断定できるものではない。 むしろやったことが間違いないものだとしても、どこでやるかで刑罰が異なることの方が問題の根は深いだろう。国によって司法制度は異なる。これはあらゆる司法制度はなんらかの真理や絶対的根拠を持ったものでなく、それぞれの国のそれぞれの事情に即した便宜的なものであることを意味するし、人々の実感でもある。だから軽微な犯罪はしばしば普通の人が平気で犯し反省もない。つまりなんの信仰の対象でもない技術的なものに過ぎないものに死刑を求刑、実行するだけの根
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