書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 十二月の七福神をお届けします。年末ということで刊行点数は少なかったように思いますが、どのような作品名が挙げられているのでしょうか。今月もさっそくご紹介しましょう。 (ルール) この一ヶ月で読んだ中でいちばんおもしろかった/胸に迫った/爆笑した/虚をつかれた/この作者の作品をもっと読みたいと思った作品を事前相談なしに各自が挙げる。 挙げた作品の重複は気にしない。 挙げる作品は必ずしもその月のものとは限らず、同年度の刊行であれば、何月に出た作品を挙げても構わない。 要するに、本の選択に関しては各人のプライドだけで決定すること。 掲載は原稿の到着順。 北上次郎 『葡萄色の死』マーティン・ウォーカー/山田久美子訳 創元推理文庫 警察署長ブルーノを主人公とするシリーズの第2作だが、今回はなんといっても村のみんなで葡萄を踏むシー