読書するパンダで親しまれた新潮文庫の「Yonda?」キャンペーンが24日で終わった。1997年の開始時から広告展開を主導したクリエーティブ・ディレクターの大貫卓也さんは当時の出版界に何を思い、何を仕掛けたのだろうか。 大貫さんは58年生まれ。日清カップヌードルのCM「hungry?」や資生堂「TSUBAKI」のキャンペーンなどを手がけてきた日本を代表するクリエーターだ。「Yonda?」は日本の書籍売り上げがピークを迎えた96年の翌夏に始まった。「想像力と数百円。」といった糸井重里さんのコピーと有名タレントを起用したブランド広告から一転し、販促ポスターではパンダが本を読んでいた。 「若者の読書離れが騒がれ始めたころ。そもそも広告で本が売れるのかという根源的な問いを、自身につきつけて取り組んだ」 ■MoMA参考に 文学少年少女はどこか閉鎖的にみえ、もっと文学をカジュアルにする方法はないか、と考