埼玉、東京で発生した元厚生省事務次官宅の連続襲撃事件を受け、全国の図書館で名前や住所などが載った官公庁の職員録の閲覧を制限する動きが出ている。今のところ県内の主要図書館へ波及していないが、関係者からは「『図書館の自由』を侵害しかねない」と懸念する声も出ている。【竹内良和】 ◆厚労省が“閲覧制限”求める 長野市若里の県立図書館。書庫の一角には背表紙に「県職員録」「職員住所録」などと書かれた分厚い職員録が並ぶ。住所や電話番号にとどまらず、顔写真や管理職以外の職員も載せた職員録もある。関藤夫・資料情報課長は「こうした図書がどれだけあるかよく分からない。100冊や200冊では収まらない」と話す。 「職員や元職員の個人情報を特定できる図書の閲覧や貸し出しに特段の配慮を」--。昨年11月26日付で、都道府県教委に厚生労働省から“閲覧制限”を求める文書が送られきた。事件を受け、国立国会図書館は12月に中