金子みすゞの詩を引用する場合は、金子みすゞ著作保存会の許可が必要であると、この団体は主張している。そこでこの団体の実態と、みすゞの詩の著作権に関する私見を書く。 まず金子みすゞが世に知られるようになった流れから書く。詳しくはこのブログの記事「金子みすゞの見た海」の冒頭でも書いたが、簡略すると、児童文学者の矢崎節夫氏は「大漁」に心惹かれ、みすゞ探しの旅をはじめ、みすゞの弟である上山正佑(故人)がみすゞの詩を書きとめた三冊の詩集を所有していたのを発見する。矢崎氏は上山の許可を得て、金子みすゞ全集の編修に携わり、「童謡詩人 金子みすゞの生涯」という著作とともに、いずれもJULA出版局から出版する。するとこのことが朝日新聞に大々的に取り上げられたこともあって、全集は売れに売れ、9000円近い定価なのに10万部以上も売れた(私も買った)。矢崎氏は1億円以上の印税を手にし、中野の貸しビルにあった童話・