ネットからダウンロードして楽しむ電子書籍。日本でも関心が高まり、「今年は電子書籍元年」とも言われる。電子書籍の普及は業界や作家、読者にどんな影響を及ぼすのか。【井出晋平、佐々本浩材、弘田恭子】 ◇日本の「分業」死守、米「独占」に対抗 「米アマゾンやアップルは、作家から作品を直接仕入れ、電子書籍製作から配信・課金、端末まで一手に握る独占モデルを狙っている。主導権を握られれば、日本の出版業界は崩壊しかねない」 27日に電子書籍にかかわる業界団体「電子出版制作・流通協議会」を凸版印刷と共同で発足させる大日本印刷。同社幹部は長年のライバルと手を組み“日本連合”作りに乗り出した理由をこう説明する。出版社や書店、端末メーカー、通信会社に参加してもらい、印刷や書店も含めた業界の分業体制を維持する「日本独自の電子書籍の出版・流通モデル」の構築が狙いだ。関係者は「日本勢がバラバラでは、“黒船”に電子書籍市場