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ブックマーク / univ-journal.jp (12)

  • 全ゲノム解析で日本人の遺伝的起源と特徴を解読

    理化学研究所、静岡県立大学、東京大学の研究で、大規模な日人の全ゲノムシーケンスから日人集団の遺伝的構造などが明らかとなった。 これらの結果は、日人の祖先に関わる縄文系、関西系、東北系の三つの源流の起源を示唆し、「縄文人の祖先集団、北東アジアの祖先集団、東アジアの祖先集団の三集団の混血により日人が形成された」という三重構造モデルを支持するものである。 次に、現生人類(ホモ・サピエンス)の最も近縁とされる古代型人類ネアンデルタール人やデニソワ人から受け継がれた遺伝子領域を調べた。ネアンデルタール人由来の領域が日人集団における2型糖尿病、冠状動脈疾患、安定狭心症、アトピー性皮膚炎、グレーブス病、前立腺がん、関節リウマチなどの病気と関連すること、デニソワ人由来の領域も2型糖尿病と関連することを見出した。 最後に、日人の遺伝子において進化的選択を受けた可能性のあるゲノム領域を特定したとこ

    全ゲノム解析で日本人の遺伝的起源と特徴を解読
    sinsara
    sinsara 2024/05/19
  • 自閉症原因は胎児期の造血系細胞の異常、神戸大学が解明

    神戸大学大学院の内匠透教授らの国際共同研究グループは、特発性自閉症の原因が胎児の時の造血系細胞のエピジェネティック(注)な異常であり、その結果が脳や腸に見られる免疫異常であることを明らかにした。 自閉症発症における免疫障害の重要な発達段階と免疫系の広範な関与を考慮し、研究チームは共通の病因が広範な免疫調節不全の根底にあり、異なるタイプの前駆細胞にあると仮定した。免疫細胞のもとになる血球系細胞に注目、さらに、胎児の時の造血に関わる卵黄嚢(YS)と大動脈-生殖腺-中腎(AGM)に焦点をあてて解析を行った。 研究グループは、自閉症モデル動物のBTBRマウスを用いてAGM血球系細胞を解析し、免疫異常の病因としてHDAC1(ヒストン脱アセチル化酵素1)を同定した。また、YS血球系細胞の解析により、ミクログリア(中枢神経系グリア細胞の一つで中枢の免疫を担当)発達異常の病因として同じくHDAC1を同定し

    自閉症原因は胎児期の造血系細胞の異常、神戸大学が解明
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    sinsara 2022/05/11
  • 世界初、石油の代替となるバイオ燃料を合成可能な植物プランクトンを発見

    海洋研究開発機構(JAMSTEC)、豊橋技術科学大学、生理学研究所のグループが、石油と同等の炭化水素(炭素数10から38までの飽和炭化水素)を合成する能力をもつ植物プランクトンを世界で初めて発見した。 一方、今回明らかになったのは、ハプト藻の一種であるDicrateria rotunda(D. rotunda)が持つ、炭素数10から38までの一連の飽和炭化水素合成能力だ。これは、ガソリン(炭素数10から15)、ディーゼル油(炭素数16から20)、燃料油(炭素数21以上)などに相当する炭化水素をつくる能力といえ、このような生物は過去に報告例がない。また、Dicrateriaは広く生息する植物プランクトンであり、グループが最初にこの能力を見出した北極海株ARC1だけでなく、微生物株保存機関に保管されている他10種のDicrateria属の株からも同様の合成能力が確認されたことから、種に共通

    世界初、石油の代替となるバイオ燃料を合成可能な植物プランクトンを発見
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    sinsara 2021/08/06
  • 迷走神経を介した「腸→肝臓→脳→腸」相関が腸の恒常性を維持している

    腸内細菌の情報を肝臓が統合し脳へ伝え、迷走神経反射を通じて腸管制御性T細胞の産生が制御されていることを、慶應義塾大学を中心とするグループが世界で初めて明らかにした。 研究ではまず、マウスにおいて、腸管pTregの分化・維持に極めて重要とされる抗原提示細胞(APC)が腸管粘膜固有層の神経の近傍に多く存在することを発見した。さらに腸管APCで神経伝達物質受容体であるアセチルコリン受容体が高発現していることを突き止め、これを刺激するとpTregの分化・誘導に関わる遺伝子の発現が亢進することを見出した。 次に、マウスの迷走神経を人為的に遮断する実験を行った。その結果、腸管APCを介して亢進される遺伝子発現が障害され、腸管pTregが著しく減少し、腸炎モデルマウスでは病態が増悪した。 そこで、腸管と脳を結ぶ神経回路を探索したところ、大腸炎を発症したマウスでは肝臓内迷走神経などが活性化していた。さら

    迷走神経を介した「腸→肝臓→脳→腸」相関が腸の恒常性を維持している
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    sinsara 2020/06/18
  • 植物由来成分に歯周病の予防効果、新潟大学と小林製薬が発見

    新潟大学大学院歯学総合研究科の日吉巧歯科医師、土門久哲准教授、寺尾豊教授と小林製薬中央研究所は、植物由来成分のヒノキチオールに歯周病の予防効果があることを突き止めた。歯を支える骨が溶けることや組織の炎症、原因細菌の増殖のすべてに効果が認められ、創薬への応用が期待されそうだ。 その結果、骨が溶けるのが抑えられていたほか、口内の原因細菌が減少していることも分かった。さらに、免疫細胞を遺伝子レベルで分析したところ、ヒノキチオールが炎症を引き起こす生体分子の量を減少させていることが明らかになった。 歯周病は誤嚥性肺炎や心疾患、糖尿病などさまざまな病気を悪化させることが知られている。重症化すると歯を支える骨が溶けるため、国内で歯を失う最大の原因になっている。歯周病は口内で細菌が増殖して炎症を引き起こすことで生じる。このため、細菌の増殖を抑え、炎症をい止める方策が研究されてきた。 日吉歯科医師らはヒ

    植物由来成分に歯周病の予防効果、新潟大学と小林製薬が発見
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    sinsara 2020/02/20
  • 歯周病がアルツハイマー型認知症に関与するメカニズム 九州大学が発見

    九州大学などの研究グループは、アルツハイマー型認知症でみられる脳内老人斑の主成分「アミロイドβ(Aβ)」が、ヒトの歯周病の歯茎で産生されていることを発見した。 研究グループは、ヒトの歯周病の歯周組織を解析し、炎症・免疫機能を担う細胞の一種であるマクロファージからAβが産生されていることを発見した。さらに、Pg菌を全身投与したマウスの肝臓でも、炎症を起こしたマクロファージにAβの誘発を認めた。 そこで、Pg菌感染した肝臓におけるAβ代謝について解析したところ、Aβ産生酵素であるカテプシンBの著しい増大がみられたという。このことから、Pg菌による炎症性マクロファージがカテプシンBに依存してAβ産生を誘導すると考えた研究グループは、培養マクロファージを用いた解析で、カテプシンB特異的阻害剤によりAβ産生を有意に抑制できることを示すことに成功した。 これまで、Aβは脳内で産生・蓄積して老人斑を形

    歯周病がアルツハイマー型認知症に関与するメカニズム 九州大学が発見
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    sinsara 2019/11/28
  • 浅い眠り「レム睡眠」中に記憶が消去 名古屋大学が仕組みを解明

    脳のメラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)がレム睡眠中に記憶を消去していることを、名古屋大学の研究グループが明らかにした。 そこで、MCH神経の活動が睡眠と覚醒状態に伴ってどのように変化するのかを調べたところ、①覚醒時に活動するMCH神経、②レム睡眠時に活動するMCH神経、③覚醒時とレム睡眠時の両方で活動するMCH神経の3種類が存在することがわかった。さらに、MCH神経活動を活性化もしくは抑制した上でマウスの記憶力を評価する実験を、新奇物体認識試験と文脈的恐怖条件付け試験のそれぞれで行ったところ、どちらの試験でも、MCH神経活動を活性化すると記憶の消去が進むことが判明した。逆に、抑制すると記憶の定着が向上したが、この結果はレム睡眠中にMCH神経活動を抑制した場合のみみられた。つまり、レム睡眠中に活動するMCH神経が、海馬の神経活動を抑制し、記憶を消去している可能性が示唆された。 私たち

    浅い眠り「レム睡眠」中に記憶が消去 名古屋大学が仕組みを解明
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    sinsara 2019/09/29
  • がんのエネルギー産生の仕組みを解明 「鬼の目」を閉じる治療法開発に期待

    多くのがんに共通する変化として、核小体の肥大化が挙げられる。細胞にはDNAを包む核があり、その中に核小体と呼ばれる小さな目があるが、悪性度の高いがんでは、核小体は「鬼の目」のように恐ろしいほど大きくなるのだ。 今回、シンシナティ大学・広島大学・慶應義塾大学を核とした国際研究チームは、最新の技術を結集し、がんで著しく増大するGTP(グアノシン3リン酸)エネルギーが核小体肥大を引き起こすことを明らかにした。また、GTPエネルギーの産生を遮断すると、がんを抑制できることも明らかにした。 研究では、悪性脳腫瘍、神経膠芽腫(グリオブラストーマ)のエネルギー産生経路を調べたという。すると、悪性脳腫瘍においてGTPの産生が著しく増大していることがわかり、さらに、このGTP産生増加の要因は、がん細胞でイノシン酸脱水素酵素(IMPDH)の量が増えることであるとわかった。 さらなる代謝解析で、IMPDHにより

    がんのエネルギー産生の仕組みを解明 「鬼の目」を閉じる治療法開発に期待
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    sinsara 2019/08/12
  • 「クモの糸」の強さの秘密、慶應義塾大学などが解明

    慶應義塾大学の河野暢明特任講師らの研究グループは、Spiber株式会社のチームと共同で、オニグモのゲノムを決定し、世界で初めて多様なクモ糸タンパクとそれに関連する遺伝子の全貌を明らかにし、糸遺伝子の系統解析に成功した。 オニグモ(コガネグモ科)は円形の網を張るクモの仲間で、自身をつるすとき、移動や卵を包むとき、餌を捕まえるときなど、それぞれ強さや伸びやすさが異なる糸を使う。さらに、一般にクモのゲノムサイズはヒトより大きい。ゲノム情報が膨大になることから、今回ゲノムシーケンスと遺伝子探索技術を新たに整備して、オニグモの複雑な糸遺伝子の探索を試みた。その結果、精度の高い長鎖DNA配列情報を大量に取得し、最終的にゲノム決定に成功した。 また、糸遺伝子の配列は非常に高度なリピート構造(同じ配列が何度も出現する構造)をとる。そこで最新のシーケンシング技術と独自開発の解析アルゴリズムを組み合わせて、全

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    sinsara 2019/06/25
  • 他人の足を引っ張り、仲間の労働を妨害するハダカデバネズミの行動を発見

    総合研究大学院大学の沓掛展之講師(研究遂行時:理化学研究所脳科学総合研究センター基礎科学特別研究員)をはじめとする研究グループは、ハダカデバネズミが他個体の労働の妨害し、妨害した個体が労働を独占する行動をとることを明らかにした。 哺乳類のハダカデバネズミは、アリやハチなどのように階層がある複雑な社会を形成している。このような集団社会において、個体は仲間と一致団結して集団労働をすると考えられるが、同研究グループは、ハダカデバネズミが、集団労働中に他個体の尻尾を咥えて後方に引きずり労働の妨害を行うことを発見した。 同グループがさらに検討した結果、この妨害行動は、個体の地位や順位によって決定されているわけではないことや、休息中よりも労働中に頻発することなどが明らかになった。これらのことから、妨害行為を行う個体は、自分が働いている部屋での労働を独占するために、そこで働く他個体を取り除いていたことが

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    sinsara 2019/01/29
  • 水の持つ特別な性質について、東京大学が従来の通説を覆す発見

    東京大学生産技術研究所の田中肇教授らの研究グループは、これまで特異なガラス転移現象として説明されてきた水の動的異常性が、実はガラス転移と無関係であり、液体の正四面体構造形成に起因していることを初めて突き止めた。 この成果は、従来のガラス転移に基づく水の動的異常性に関する定説を覆しただけでなく、水の熱力学的異常と動的異常が、ともに正四面体構造形成という共通の起源に基づくこと明らかにした点にも大きなインパクトがある。 水は、人類にとって最も重要な液体であり、研究成果は、水の特異な性質そのもの理解に留まらず、生命活動、気象現象などとのかかわりの理解にも大きく貢献するものと期待される。 論文:【Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America】Origin of the emergent

    水の持つ特別な性質について、東京大学が従来の通説を覆す発見
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    sinsara 2018/09/17
  • 余命の短い老兵ほど最前線へ 京都大学がシロアリ社会の「齢分業」を解明

    京都大学の研究グループは、シロアリの社会での個体年齢と役割分業の関係を分析し、高齢の兵隊アリが死亡リスクの高い最前線で天敵と戦う役割を担い、若い兵隊アリは死亡リスクの低い巣の中心部で王や女王の近衛兵としての役割を担っていることを明らかにした。 研究では、この余命に基づく分業の実態を調べるため、年齢の異なるシロアリの兵隊を用意し、老兵と新兵で防衛行動や巣内での配置が異なるのかどうか、実験的に検証した。 結果、新兵よりも老兵の方が積極的に最前線に出て防衛を行うことがわかった。一方で、新兵のみで防衛させた場合は、新兵自身が敵と戦い、老兵と同じレベルの防衛能力を示した。すなわち、老兵が最前線で戦うのは新兵の防衛能力が低いためではない。 また、人口巣での実験では、新兵は近衛兵として女王の近くに集中して分布し、老兵は王室から離れた外部に多く分布することが明らかになった。 これらの結果から、シロアリの

    余命の短い老兵ほど最前線へ 京都大学がシロアリ社会の「齢分業」を解明
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    sinsara 2018/03/17
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