無 功 用 (む く ゆ う) 「碧巌録」より 『心が晴れる禅の言葉』赤根祥道・著より【引用】 母の胎内からこの世に生まれてくる嬰児の心は、一つの汚れもない。…母親の 乳房にすいついて乳をすいながら、満足すると、すやすやとあどけなく 眠っている。 「嬰児と一般なり、眼耳鼻舌身意有りと雖(いえど)も、而(しか)も六塵を 分別する能(あた)わず、蓋(けだ)し無功用なればなり」(「碧巌録」) もちろん、嬰児も人間だから、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つの感受性は しっかりとそなえている。しかし、その作用を使って、価値を判断しようとは しないのだ。 地位があがり、権力をもつと、人は我を出してくる。人と人とを差別し始める。 悪臭がまわりにただよい始める。… ---------- これとよく似た禅語に「無功徳」というのがある。 何かの「善行」しても、功徳を期待してはならない という教え。 (「功