前回7月12日(日)の当コラム「日本株は、再度大きく下落する懸念がある」では、「足元の日本の国内株式市場は『ギリシャだ、中国株価だ』と騒いでいるが、まだ米国株価の下落が控えている」と書いた。 2つのワナにはまった「強気筋」 これまでの日経平均株価の動向は、2万0800円台で、見事に「ダブル・ブル・トラップ」(2つの牡牛(強気筋)のワナ)が発動し、強気筋は完全にそのワナにはまった(本稿では、すべてザラ場高値ではなく終値ベースで解説する)。この2つのワナは、ギリシャと中国を巡る一喜一憂で形成された。 すなわち第1のワナは、6月24日(水)の高値2万0868円で、これはギリシャを巡る財政支援問題が、難なく進展するのではないかという、根拠の薄い楽観によるものであった。その後ギリシャが「国民投票を行う」と発表して情勢が混迷し、これに上海株の大幅下落という悪材料が乗って、浮かれ気分は叩きつぶされた。