OECD24か国(1人当たりGDP1万ドル以上)のデータによると,1970年時点では,女性の労働力率の高い国ほど出生率が低いという傾向にあったのに対し,2000年時点では,女性の労働力率が高い国ほど,出生率が高いという傾向がみられる。この背景としては,30年の間に,子どもを産み育てることと仕事の両立が可能な社会環境を整えてきた国があり,それらの国においては,女性の労働力率を伸ばしながら出生率も回復してきているということがある(第1-3-8図)。 第1-3-8図 OECD加盟24か国における女性労働力率と合計特殊出生率 1970年には,アメリカやノルウェーなどに比べ日本の女性の方が多く働いていた。しかし,70年以降,アメリカやノルウェーなどは女性労働力率を上昇させながら,80年代半ば以降,出生率も回復してきているのに対して,日本は,女性労働力率の上昇幅は小さく,出生率は下がり続けている状況で