KADOKAWA会長の角川歴彦(つぐひこ、73)のところに、「黒船」が来たのは2012年のことだった。カナダのコボ、米グーグル、アマゾン、アップルの担当者が、夏から翌春にかけて相次いで訪れ、口々に「我々の電子書籍事業に協力してほしい」と求めてきた。 電子化の波を予感していた角川には、三つの選択肢があった。書籍を電子化して提供するにとどめるか。電子書籍の配信を手がけるプラットフォームになるか。さらに進んで、アマゾンのようにハード(端末)まで出すか。 まずハードを出せるか考えた。電子インクの技術を持つ台湾企業を訪れたが判断は「ノー」。「表示は単色。iPhoneやiPadでも読めるのだから、これではなかなか難しい」 思い至ったのはプラットフォームづくりだ。アマゾンは当時、対立した出版社の本を自社サイトで買えなくし、出版界に衝撃を与えた。「外資はプラットフォームの力をてこに独自のルールをつくる。ル
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