安倍晋三首相は29日、民進党など野党が求める臨時国会の早期召集に応じない方針を決めた。 東京都議選(7月2日投開票)の応援で「自衛隊としてもお願いしたい」と発言した稲田朋美防衛相の罷免要求についても拒否した。8月上旬にも行われる内閣改造で続投させるかどうか判断する。 野党の臨時国会召集要求は、衆参いずれかで総議員の4分の1以上の求めがあった場合の召集決定を政府に義務付けた憲法53条に基づくものだ。 これに関し、菅義偉官房長官は29日の記者会見で「政府は召集義務を負うが、憲法上期日の規定はない」と語った。稲田氏についても菅氏は「今後とも誠実に職務に当たってほしい」と述べた。 稲田氏は同日、防衛省に登庁する際、記者団から野党の辞任要求に対する考えを問われたが、無言を貫いた。 安倍政権としては、学校法人「加計学園」の問題や稲田氏の失言などで逆風が吹く中、国会で野党に追及の場を与えるのは