筆者は、2004年末から2010年末までアメリカのロサンゼルスに留学していた。京都アニメーションの作品に出会ったのは、2009年だった。 筆者は、いわゆる「エヴァ世代」で、90年代の第3次アニメブームをリアルに体験した世代だ。高校時代は昼間からレイトショーにかけてミニシアターで映画を観て、夜中に深夜アニメを観る生活をしていた。だが、映画学校に入学、その後、アメリカ留学時には、アニメから離れてしまった。 そんな筆者に、再び日本のアニメの素晴らしさを教えてくれたのは、京都アニメーションが製作した『けいおん!』だった。夏季休暇等の一時帰国中に出会ったのだと記憶しているが、そのハイレベルな映画的センスに脱帽した。キャラクターの芝居の見事さ、小津安二郎を思わせるローポジションと切り返し、背景の写実的美しさなど驚くほどに緻密に作られていた。キャラクターデザインも目を見張った。ああいうリアルなO脚をアニ
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