ふつ、ふつ、ふつ、湯気が出てきた。 手羽元、ネギまるまる1本、ニンニク2かけ、薄切りにした5、6枚の皮付き生姜が、鍋のなかで、ふつふつと踊る。弱火でじっくり3、4時間ほど煮込んで完成。 鶏の旨味たっぷり、手羽元スープ。その名も「三竿鍋」だ。 2020シーズン、コロナ禍により過密日程となったなか、“食”への取り組みを大きく変えてシーズンを過ごし、「ケガなく1年を過ごす」という目標を果たした選手がいる。 鹿島アントラーズでキャプテンを務める三竿健斗だ。きっかけは、今以上を目指す向上心だった。 代表合宿で測った体脂肪の数値 2016年、常にタイトルを求められるクラブへの移籍1年目。なかなか試合にからめず、どうすれば本当の意味でアントラーズの一員になれるのか、自問自答を繰り返す日々を過ごしていた。 「何かを変えなければいけない」 まずはトレーニングを変えた。自分にとって、より伸ばすべきところは何か