政府が将来の原発ゼロに向けた課題や影響をまとめた文書が3日判明した。2030年の総発電量に占める原発比率をゼロにすると、電気代を含む光熱費が月額で最大3万2243円となり、10年実績(1万6900円)の約2倍に上昇すると試算。原発関連地域への対応にも懸念を示した。 文書は野田佳彦首相の指示を受けて枝野幸男経済産業相がまとめた。政府は策定中のエネルギー・環境戦略に原発ゼロ目標を明記する方向で検討しており、閣僚で構成するエネルギー・環境会議を4日午前に開いて議論する。 文書では、核燃料サイクル施設が集積する青森県など原発関連地域の理解と協力が得られなければ、原発が段階的ではなく「即時ゼロ」になり得ることも指摘。原発がゼロになると電力供給量の約3割が失われ、需給逼迫に直面するとの懸念も示した。