先日、NHKのラジオ深夜便を聴いていたら、ノンフィクション作家の澤地久枝さんが出演していた。御年86歳ということだったが、声だけを聴くと若々しい。そんな澤地さんが、戦争の体験談を話していた。食がテーマであったので、食べ物の話が中心だったが。 澤地さんは戦時中、満州の女学校に通われていたそう。いいところのお嬢さんなので、比較的食生活は豊かだったようだが、それでも終戦のころは大変だったらしい。それこそ日本に戻るのが精いっぱいで、ソ連の軍人に襲われそうになったなんてこともあったとか。 日本に帰ってきて、おにぎりを1個もらったのだが、その味が忘れられなかったと。そりゃそうであろう。想像を絶する体験である。その後、澤地さんは反戦のための活動をしてきて現在にいたるわけだが、このような戦争体験談を話せるヒトは本当に少なくなった。戦争体験談を話せるヒトが少なくなったのは、いま平和な証拠でもあるが。