【ジュネーブ時事】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8日、ネパールで1996年から10年間続いた内戦での人権侵害に関する報告書を公表、犠牲者は計1万7000人に達したとの見方を示した。非合法な処刑や拷問など「人権や人道面で国際法違反と思われる事例が最大9000件に上る」とし、政府に実態調査を求めた。 報告は、政府軍と旧反政府武装勢力・ネパール共産党毛沢東主義派(毛派)の双方による非合法な殺人、拷問、性的暴行といった人権侵害行為を調査。政府軍が2003年に毛派17人と市民2人を一列に並べ処刑した事件や、毛派が拘束した教師3人を殺害した例を挙げた。内戦の死者はこれまで約1万3000人とされていた。 政府と毛派は06年に包括的和平合意に署名、王制が廃止され新憲法制定に向けた取り組みが始まっている。しかし犯罪行為の調査は行われず、ピレイ弁務官は声明で「深刻な人権侵害に関わった人物は責任を