「経済活動とは人間による人間のための営みだ。人間への配慮がかけらもないアベノミクスは経済政策に値しないのである」「安倍政権の本質は『富国強兵』だ。秘密保護法から憲法改正という『強兵』を支えるための『富国』策がアベノミクスだ」「強い日本を取り戻す、とか、ボクちゃんが世界一という思想は他国に脅威を与え、グローバル化の中で孤立するだけだ」…“浜節”がさく裂した。 なるほど安倍晋三首相の二十四日の施政方針演説を読むと、出るわ出るわ。「世界最先端の…」「世界に冠たる…」「世界最高の…」と三十三ページの原稿中に「世界」が三十五カ所、その半分が世界一を目指す意味である。 グローバル経済は一見すると弱肉強食のようだが、実は違う。国境を越えて部品の供給や水平分業といった相互依存で成り立つ「共生社会」である。そこに覇権主義的な思想は異端だ。経済成長さえすれば、すべてが解決するような単純な発想が怖い。働く人を犠